頂いてください男子
恋愛において、プレゼントを選んでいる時ほど楽しい時間はないと思う。
少し前に「頂き女子」なんて言葉が流行ったけれど、僕は間違いなく「頂いてください男子」だろう。
初めましてのデートにだって、必ずお花やお菓子を持って行ってしまう。
自分から率先して尽くす姿勢を彼女らに見せる限り、女性からモテることはあり得ないというのにだ。
モテたければ尽くしてもらってなんぼである。マメにプレゼントを用意する男がモテるわけがない。
モテているような雰囲気は出るけれどそれは錯覚である。
わかっていても楽しいから仕方ないのだけれど。
(しかし、この「モテている感」の有る無しは、己の置かれている環境が結婚生活であり、なおかつ相手が妻であるなら、それは「人権」と同等の意味を持つからなめちゃぁイカンよ。)
受け取ってもらえる幸せ
クリスマス、誕生日、彼女にとって特別な日にプレゼントを渡せたらそれはもう最高に幸せなことである。
少なくとも、彼女がプレゼントを受け取ってくれるなら、貴方は「出禁レベル」ではない。
(女という生き物は「出禁レベル」一歩手前の男が相手だろうと、少女のような笑顔でプレゼントを受け取り。シスターの如く賛辞を述べる恐ろしい生き物であることをここに記しておく)
とにかく、「出禁レベル」と思われていないことは幸せなことである。
彼女らには、我々男子が想像することもできない日々があるのだから。
彼女らにとって、出禁レベル、最低男からのアプローチは日常茶飯事である。
適正価格は×1.5
彼女の喜びに満ちた顔を想像しながらプレゼントを選ぶ時間は、恋をした者の特権である。
彼女と己の関係性、プレゼントの理由から適正価格を割り出し、口座残高とにらめっこをして、予算を決定する。
我々の算出した予算のおおよそ1.5倍が彼女らにとっての適正価格である。
ちょっと引かれない?
くらいでやっと彼女らの超最高!の水準にとどく。
シンプルな理屈だ。
我々が彼女らとの関係、彼女らの性格からプレゼントの予算を計算しているのと同じように、彼女らはいくらくらいのプレゼントを我々からもらえるか計算している。
彼女らの計算に狂いはないから、我々の選ぶプレゼントの価格帯は、まるっきり彼女らの想定内である。
(手作り度、等の努力値で「最高!」を引き出すこともできるが、ハイリスクな手段である)
彼女らの想定内を超えたければ、予算は我々がちょっと嫌になる価格でちょうどいい。
はずだった……。
しかし世の中は……。
我々がちょっと嫌になる価格を設定すればそれでよかった。
ちょっと「やりすぎ」ればよかった。
つい最近までは……、だ。
物価高がえぐい。
どこのブランドも10年前なら10万円で買えたアクセサリーが今や20万円なんてザラにある。
そして世の中の女性らの男からもらえるプレゼントへの感覚は、物価高とリンクしていない。
(完璧に物価高とプレゼントの金銭感覚がリンクしている女性には気をつけた方がいい)
つまり、1.5倍の頑張りだと、足りないのである。
我々が10万円の予算を1.5倍にして15万円のプレゼントを用意したとても、そのプレゼントが彼女に与えるインパクトはせいぜい8万円分くらいである。
よって、女性へのプレゼントの適正価格は我々の算出する予算の2.5倍くらいであると言える。
賢い頭でバカな決断をしなければならない
なにも考えてないみたいな顔で、内心自分のプレゼントの価格にドン引きしつつ、しっかり計算されたプレゼントを用意しなければならない。
(もちろん、ご飯代もホテル代も別である)
別にそこまで必死にならなくてもいい。と言う人はたくさんいるかもしれない。
でも、自分の本命になった女性なら、同じように惚れている男が山ほどいるはずである。
やけくそになるしかない。
やけくそになったらもしかすると……。
男と付き合うなんてバカな決断を彼女らはしてくれるかもしれない。