結婚式前夜~ユーモアの死んだ日~

結婚式前夜

結婚式前夜を義実家で過ごすことになった。
お義母さんのビーフシチューがとっても美味しかった。
お義父さんは優しく笑ってくれた。
義妹は、楽しく振る舞ってくれた。
妻は、義実家で、子どもモードになって幸せそうだ。


結婚式前夜というタイトルで何か書けたらいいなと思っていたのだけれど、あまりに優しい幸せに戸惑って、書くことがない。
結婚式が始まるまでの間、友人たちが、何か面白い話を読みながら、待ってくれたらステキだなと思ったけど、本当にまったく何も思いつかない。
優しく、幸せな世界では、ユーモアは生きていけないらしい。
でも、何か残しておきたいなと思った。
だから、この記事は、きっと面白くならない。
だから、いつも通りを期待している人は、この先を読まないでください。

今日食べたお義母さんのビーフシチューの味は忘れたくないな。トマト感が弱かった。それが本当に好みだった。お肉も柔らかくて美味しかった。コクがあって、何杯でも食べたかった。明日、結婚式だから、1杯しか食べられなかった。結婚式が終わって、もしかしたら何か食べて、その後、妻と義実家に帰ってから、食べることができるなら、今日できなかったおかわりを、明日したいな。

お義父さんは優しく笑ってくれた。人前に立つことは緊張しないけど、お義父さんと向かい合うのは、今でも緊張する。それでも、優しく笑ってくれるから、いつも、嬉しい。結婚式、たくさん笑ってくれるといいな。

義妹さんは、相変わらずふわふわ楽しそうに振る舞ってくれた。明日は、楽しんでくれるといいな。振袖の花柄がとっても綺麗だった。

妻は、義実家に帰ると、少し子どもっぽくなる。義実家でしか見れない妻だ。
明日、妻はウエディングドレスを着て、僕の目の前に現れる。
どれだけ感動するのか、しっかり覚えておきたいな。

明日は、たくさんの大切な人に会える。

僕は、今までの人生で、致死性の心臓発作を2回も経験している。
どちらも、走馬灯はなかった。
死に向かう時、走馬灯なんて見る暇はないことを知った。
でも、明日は、たくさんの大切な人の顔を見る。
1人1人の顔を見るたびに、幸せな思い出が、きっとフラッシュバックする。
これは経験知だから間違いないけど、思い出は生きている間に楽しむものだ。
思い出は、感動映画の定番みたく、死ぬ瞬間を美しく彩ってくれるものではない。
思い出は、生きている間に楽しまないといけない。
明日は、大切な人の顔を見るたびに、大切な思い出を楽しめる。
明日、僕が見る景色は、また新しい大切な思い出になる。

大切な人たちに楽しんでもらうための工夫は一生懸命に頑張った。
明日の式が、来てくれた人にとっても、何度でも思い出したくなる大切な思い出になるといいな。
人数の都合で、大切な人を全員呼ぶことはできなかったけど、きっとまた会えますよね。
会える日が楽しみです。

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